【介護疲れ】つらい心の整え方|原因から対策まで

在宅介護

お疲れさまです、ネネです!

介護がつらい」「疲れた、もう無理かも……」と弱音を吐きたくなる瞬間、ありませんか?

今回は、”介護疲れ”の原因や軽減策について詳しくお話します。

ネネ
ネネ

この記事は次のような人におすすめ

  • 家族の介護がつらいと感じている人
  • 介護疲れで気持ちがモヤモヤしている人
  • どうして介護ってこんなにしんどいの?と悩んでいる人 

「つらい」と思うのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ真剣に向き合って、なんとか頑張ろうともがいている証拠です。

まずは、「完璧を目指さない」「1人で抱え込まない」「病気を理解する」「自分の人生も同時に大切にする」を意識することから始めましょう。

この記事を読めば、”介護疲れ”に対する理解が深まり、心の保ち方について知ることができますよ。
少しでも、肩の力が抜けるきっかけになれば嬉しいです。

「介護ってなんでこんなに苦しいんだろう……」とモヤモヤしませんか?
ここでは、『なぜ介護がつらいのか?』を言語化していきます。

結論から言うと、次の4つが挙げられます。

 介護がつらい原因 
  • 肉体的な負担
  • 精神的な負担
  • 経済的な負担
  • 家族だからこそ複雑

決してあなたに非があるだとか、スキルがないからだとか、そういうことではありません。
いくつもの負担がかかっているので、つらいと感じるのは当たり前です。

肉体的な負担

生活の介護は、肉体労働がほとんど。

介護における大きな課題として、次の2つが挙げられます。

 身体の負担 
  • 腰痛
  • 睡眠不足

[移動・排泄・入浴・食事・着替え]などの介助で腰や膝に負担がかかる上に、人によっては、深夜の対応で睡眠が削られる場合もあります。

要介護度が高くなるにつれて、より負担は大きくなります。

日々の積み重ねで、ある日突然ガタがくる、なんてことも少なくありません。

【実際にあったケース】

2人暮らしの夫婦。
妻は車いす生活で、夫がお世話をしていました。

ある日、車いすからベッドに移動させようとしたときに、夫がぎっくり腰を発症。
これ以上自宅での生活は難しいとの判断で、妻は泣く泣く施設入所に……。

ネネ
ネネ

家族の健康があってこその在宅介護だなあ・・・と感じる事例でした。 

腰部コルセットなどで予防をしたり、適度な休息をとることが大切ですね。

精神的な負担

介護のつらさの多くは、身体よりも「心」への負担にあります。

 精神的負担となる要因 
  • 1人で抱え込む孤独感
  • 「これで大丈夫かな?」という心配や不安
  • イライラしてしまう自分を責める
  • 終わりの見えないストレス
  • 認知症で話が通じない
  • 仕事との両立が大変

これらの感情で心がすり減ってしまうことが、介護をするなかで一番の負担ともいえます。
心の余裕がなくなり、介護虐待につながるケースも少なくありません。

心が限界になる前に、介護者側のメンタルケアも大切にしたいですね。

経済的な負担

介護をするうえで、費用面の問題は深刻です。
いつまで続くかわからない介護生活を考えると重要な課題でしょう。

特に、介護のために休職・退職する場合は、その分収入が減るので負担がかかります。

ネネ
ネネ

介護にかかる費用、親の年金でまかなえるかな? 
足りない分はどうしよう?

家族で話し合いをすることはもちろん、サービスの選択については担当ケアマネジャーに相談することも大切です。

家族だからこそ複雑

『家族』という近しい関係性だからこそ、期待や葛藤が大きくなるのは自然なことです。

よくある問題は、次のようなパターンです。

  • 日常が当たり前になり、介護者への感謝の言葉がない
  • 他の家族メンバー(兄弟や親戚)との温度差がある
  • 身内の老いや障がいを受け入れられない

大切な家族だからこそ、丁寧にケアしてあげたい。
とはいえ、自分の限界もある。

理想と現実のギャップがあることも、家族介護の難しい点かもしれません。

コミュニケーションがとれるのであれば、腹を割ってたくさん会話することも大切です。

介護でいっぱいいっぱいになっていると、自分の不調に気づきにくいことがあります。

次のような症状に、心当たりはありませんか?

  • 慢性的な疲れや倦怠感
  • 無気力
  • 気分の落ち込み
  • 原因不明の焦りや不安
  • 食欲がない
  • 疲れているのに眠れない

こうした反応は、あなたの心が「これ以上がんばらないで」と言っているサインです。
SOSを見逃さないように、自分のケアも大切にしましょう。

”介護疲れ”をなるべく減らすには、そもそもストレスを感じにくくすることが大切です。
ここでは、今日から実践できる「心を軽くする考え方」を4つご紹介します。

心を軽くする考え方

心を軽くする考え方①:完璧を目指さない

完璧を目指すことをやめましょう

「なるべく自分が頑張りたい!」と献身的に介護をする人も多くいますが、『完璧=いい介護』とも限りません。
完璧を目指すあまり、家族が常にイライラしていたり、体調を崩して共倒れになったりといったケースを数多くみてきました。

介護は長期戦です。
家族が張り切りすぎないことが、笑顔で過ごす秘訣かもしれませんね。

ネネ
ネネ

周りの力も借りて、『60点の介護』をゆるーく続けることが大切です! 

心を軽くする考え方②:1人で抱え込まない

真面目な人ほど、家族を介護する”責任”を抱え込みやすい傾向にあります。
「助けて!」の一言こそが、心を軽くする第一歩です

家族メンバーや友人でもいいですし、担当ケアマネジャーなどの専門職でもいいです。
悩みを共有することで、自分自身の気持ちの整理にもなりますし、思わぬ角度から改善策が見つかることもあります。

ネネ
ネネ

安心してください!
誰かを頼ることは、決して責任放棄ではありませんよ

「頼る」ということは、あなたの心を守り、より良い介護を続けていくための大切なスキルです。

心を軽くする考え方③:病気を理解する

スムーズな介護を実践するためには、『病気への理解』が大きなヒントとなります。

具体的な例で考えてみましょう。

【例えば・・・】

あなたが、認知症の人を介護しているとしましょう。
その人が突然、部屋のゴミ箱に放尿してしまいました。

あなたはどのように感じますか?

実はこのとき、認知症に対する知識があるかどうかで、次のように受け止め方が変わります。

知識なし

「なんでこんなところでおしっこするの!やめて!(怒)」

知識あり

「自分でなんとかしようとした結果、
 たまたま見つけたゴミ箱を便器だと勘違いしたのかな~」

知識がないと、「どうして?」と理解不能な行動にイライラしてしまいますよね。
きっと怒られた本人は、訳も分からず萎縮してしまうことが想像できます。

この険悪やイライラの積み重ねが、介護のストレスにつながるのです。

一方、知識があれば、「なぜその行動になったのか?」をなんとなく理解できます

ネネ
ネネ

”ゴミ箱のおしっこの処理をする”という最終的な負担は変わらないけど、
過程を比べると、心の余裕が少しばかり違いますね。

出来事の背景が理解できると、考えに余白が生まれますよ。

心を軽くする考え方④:自分の人生も同時に大切にする

自分を後回しにすることをやめましょう

「介護をする5年間」と「あなたの人生の5年間」は、隣り合わせで時が流れています。
あなたは”介護者”である前に、幸せになるべき1人の人間であることを忘れないでください

多くの日本人は、『自己犠牲=愛情・責任』としてとらえる傾向がありますが、少し考え方を変えてみてください。

【例えば・・・】

あなたが年老いて介護が必要な状況だとしましょう。
ありがたいことに、あなたの子どもが面倒をみてくれることになりました。

丁寧にお世話をしてくれることは嬉しい半面、日に日にボロボロになっていく我が子を見たらどう感じますか?

ネネ
ネネ

「申し訳ない気持ち」でこちらも苦しくなるかも……。

先ほどもお伝えしましたが、介護は長期戦です。
お互いが穏やかに過ごせるように、肩の力を抜いて、時には自分の予定を優先してみてもいいかもしれません。

介護に困って誰かに相談したいけど、どこに問い合わせたらいいの?」という疑問をお持ちではないですか?

結論から言うと、介護についての代表的な相談先は次の4つです。

  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター
  • 家族会・オンラインコミュニティ
  • シルバー110番

順に説明していきます。
あなたの状況に応じて、相談先を選ぶ参考にしてみてください。

ケアマネジャー

すでに介護サービスを利用している』『生活やサービスの相談をしたい』という場合は、ケアマネジャーに相談してみましょう。
本人や家族の状況をよく理解しており、一番身近な相談先といえるでしょう。

ケアマネジャーは、”本人の介護サービスのプランを総合的に管理する”役割があります。
悩み事に応じて、介護サービスの提案をしてくれます。

実際にあった、いくつかの例をご紹介します。

Q
よぼよぼ歩くので、家でずっと付き添ってるのが大変。
A

このような場合、
福祉用具レンタルサービスを提案し、自宅内で使える歩行器を手配します。
付き添いがなくても安心して移動でき、家族の自由度も上がります。

Q
日中部屋に閉じこもっていることが多くて、筋力が落ちないか心配。
A

このような場合、
デイサービス(日帰り)を提案して、日中を活動的に過ごしてもらいます。
メリハリのある1日になり、夜もぐっすり眠れることがあります。

Q
ずっと一緒で、息が詰まりそう……。
A

このような場合、
ショートステイ(泊まり)を提案して、離れる時間をつくります。
プロにお任せしている間を、リフレッシュの時間にあてることができます。

介護の状況は日々変化しますから、サービスの見直しや変更はよくあることです。
1人で解決しようとせず、つらくなる前に相談してみましょう。

ネネ
ネネ

ケアマネジャーは『介護サービスの司令塔』。 
迷ったら相談してみることをおすすめします!

地域包括支援センター

そろそろ介護が必要かも?』『どこから始めればいい?』という場合は、地域包括支援センターに相談してみましょう。

地域包括支援センターは、高齢者の介護に関する相談窓口です。
「保健師」「社会福祉士」「主任ケアマネジャー」が配置されており、高齢者の総合相談を行っています。

地域包括支援センター ○○市(お住まいの地域)』と検索。
近くの設置場所がいくつかわかります。
相談がスムーズに進むように、まずは電話で問い合わせてみるといいでしょう。

ネネ
ネネ

すでに担当ケアマネジャーがいる場合は、
直接ケアマネジャーに相談する方がおすすめです!

家族会

同じような悩みをもつ人とつながりたい』という場合は、「家族会」に参加してみましょう。

家族会とは、同じ立場にある人が集まる会のことです。
介護の悩みを打ち明けたり、ヒントを得たり、情報交換などを行う場です。

  • 「ああ、つらいのは自分だけじゃないんだ」
  • 「この対応は逆効果だったのか」
  • 「なるほど、次はこういう声かけをしてみよう」

こういった気づきを得たり、自分の想いを吐き出すことで、心理的なサポートにつながります。
また、専門職が参加することもあり、病気や障がいに対する理解を深めるきっかけになるでしょう。

介護 家族の会 ○○市(お住まいの地域)』などと検索。
地域によって会は異なりますが、調べてみるといいでしょう。

地域包括支援センターに問い合わせて、紹介してもらえる場合もありますよ。

代表的な家族会

公益社団法人 認知症の人と家族の会

介護する家族が抱える孤立感や精神的負担を軽減するため、介護体験を共有し、互いを支え合うことを目的とした活動を行っています。
47都道府県に支部があり、各地で「つどい」が開催されています

オンラインでの交流やセミナーも行われているので、自宅にいながら参加できるのも嬉しいポイントですね。

認知症の介護をしている方は、ぜひホームページもチェックしてみてください。
https://www.alzheimer.or.jp/

シルバー110番

「シルバー110番」(別名:高齢者総合相談センター)は、高齢者やその家族が抱える悩みや不安について無料で相談できる公的な窓口です。

電話で気軽に相談したい』『自分のことを知らない人に話を聞いてもらいたい』という場合におすすめです。
匿名で相談できるという点も、安心して利用できるポイントですね。

ネネ
ネネ

電話で「♯8080」とダイヤルすると、お住まいの地域のセンターにつながりますよ!

注意点:相談は無料ですが、通話料はかかります。

今回は、”介護疲れ”の原因や軽減策についてお話しました。
この記事をおさらいしたポイントは、次のとおりです。

 まとめ 
  • 介護がつらいのは、真剣に向き合っている証拠
  • 心を少し軽くする考え方
    完璧を目指さない
    1人で抱え込まない
    病気を理解する
    自分の人生も同時に大切にする
  • 頼れる場所を頼る

介護に「悩みがない状態」なんて、きっと誰にもありません。
身内を介護するというのは、それだけ大変で、気力も体力も使うことだからです。

だからこそ、張り切りすぎず、ときには立ち止まりながら。

あなたの明日が、今日よりも少し穏やかに感じられますように。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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